「東芝 トルネオV コードレス VC-CL100(TOSHIBA TORNEO V cordless VC-CL100)」は東芝が販売するコードレス掃除機です。
1台でスティック・ハンディ・ショルダーに対応する3WAYタイプ。本格的なサイクロン式「バーティカルトルネードシステム」を採用。「軽量パワーヘッド」が浮くと運転を一時停止する「節電アイドリング機能」を搭載。
後継機種は「東芝 トルネオV コードレス VC-CL1200」「東芝 トルネオV コードレス VC-CL200」です(2015年3月発売)
目次
製品情報
東芝 サイクロン式コードレス掃除機 トルネオV コードレス グランレッド VC-CL100-R
「トルネオV コードレス VC-CL100(TOSHIBA TORNEO V cordless VC-CL100)」は、東芝ホームアプライアンス株式会社(本社:東京都千代田区)が2014年2月に発売した充電式マルチコードレスクリーナーです。
同社のサイクロン式クリーナー「トルネオ(TORNEO)」シリーズ初のコードレスタイプ。1台でスティック、ハンディ、ショルダーに対応する3WAYデザインが「トルネオ ヴイ コードレス VC-CL100」の特長です。
外見や価格からも分かるように、英ダイソン社のコードレススティッククリーナー「ダイソン デジタルスリム(Dyson Digital Slim)」シリーズをベンチマークとした製品です。
本体カラーは「グランレッド(VC-CL100-R)」「ターコイズブルー(VC-CL100-L)」「グランホワイト(VC-CL100-W)」の3種類。付属品は「充電スタンド」「電源コード」「ACアダプター」「すき間ノズル」「お手入れブラシ」「ショルダーベルト」の6点です。
最大のセールスポイントは、スティック型掃除機・ハンディ型掃除機・ショルダー型掃除機の3パターンで使用できる「3WAY(スリーウェイ)」デザインの採用です。
通常はスティッククリーナー、ショルダーベルトを付けると肩掛け式のショルダークリーナー、ヘッドと延長管を取り外すとハンディクリーナーとして使えます。さらにハンディタイプとして使う場合、ホースが伸縮するので本体が入らない狭い場所にも対応できます。
カーボン素材の延長管と約370グラムの「軽量パワーヘッド」、約120グラムの「高効率ブラシレスモーター」により、本体質量は約1.8キロ、標準質量は2.3キロに抑えられています。
集じん方式は東芝独自の「バーティカルトルネードシステム(Vertical tornado system)」です。これはダイソンと同様の「フィルターレスサイクロン」となっており、ダストカップ内の旋回気流でゴミと空気を99パーセント以上遠心分離します。したがってモーター保護フィルターに汚れが着きにくくなり、お手入れが簡単で吸引力が長持ちするメリットが有ります。
標準ヘッドはモーター駆動方式の「軽量パワーヘッド」です。これは他社では「モーターヘッド」「パワーブラシ」と呼ばれるタイプで、電動式の回転ブラシがカーペットの奥からゴミを強力にかき出します。またヘッドが約3秒以上浮くと運転を自動停止する「節電アイドリング機能」を採用しており、ムダな消費電力を抑えてバッテリーを長持ちさせます。
排気性能に関しては「やわらか分散排気」と呼ばれる東芝製クリーナー共通の機能を搭載。斜め前方、下方など3方向に分散するので手元に排気が当たりにくくなっています。またホコリの巻き上げを抑える効果もあります。
バッテリーは小型軽量かつ長寿命の「リチウムイオンバッテリー(CL1-P)」を採用しています。充電時間は約5時間。運転時間は標準モードで約20分、強モードで約8分です。またバッテリー交換の目安はフル充電・フル放電を繰り返した場合、約2,100回とされています。
さらに収納については、床置タイプの「充電スタンド」が付属します。これは壁に固定する必要がなく、延長管とヘッドを外してコンパクトに収納できます。またダストカップ部と排気清浄フィルターは水洗い可能なのでお手入れが簡単かつ清潔を保ちます。
評判・レビュー
長所
「トルネオV コードレス VC-CL100」の長所は、1台で3種類の使い方ができるマルチ構造です。中でもショルダーベルトを付けて「肩掛け式」のショルダー型掃除機として使えるのは、腕への負担が軽く高いところも掃除しやすいと思います。
さらに見逃せないのが「伸縮ホース」の存在です。通常のハンディクリーナーは別売のホースを取り付けないと本体が入らない狭い場所を掃除できませんが、「VC-CL100」は標準で伸縮ホースが取り付けられており、グリップ部を持ちながらホースを伸ばして狭い場所を掃除できます。これは汚れやすいベビーカーや車内の掃除に便利だと思います。
ダイソンと同じ「フィルターレスサイクロン」を採用していることも「VC-CL100」の大きな特長です。市販されているコードレス掃除機のほとんどは遠心分離とフィルターを併用する「ハイブリッドサイクロン」方式であり、フィルターが汚れやすく吸引力が長持ちしません。しかしフィルターレスサイクロン方式は、大半のゴミを旋回気流で遠心分離するので、吸引力が長持ちしてお手入れの手間も少なく済みます。
短所
残念ながら「トルネオV コードレス VC-CL100」は本体のみで自立できません。したがって掃除中に手を止めたいときは充電スタンドに戻す必要があります。この点は本体だけで据え置ける「自立式」のコードレス掃除機に比べると使いにくいと言えるでしょう。
またハンディ時の重量(約1.8キロ)が他社製品と比べて少々重いことも気になります(ライバル商品は1~1.5キロ程度)。「VC-CL100」は手元ブラシを外してホースを伸ばしながら使用できるため、ハンディ時も両手で使うことを前提に開発された製品だと思います。1.8キロという重量は巷の評判ほど重すぎるとは思いませんが、どうしても片手で使いたい人は事前にデモ機で重さを確かめておいたほうが良いでしょう。
ダイソン DC62 モーターヘッドとの比較
「ダイソン DC62 モーターヘッド」は「トルネオV コードレス VC-CL100」のライバルと言える製品です。東芝の開発陣も相当意識した節があり、ダイソン製品の弱点を突くような機能・性能が散見されます。
たとえばダイソン最大の欠点は「音がうるさい」ことですが、「トルネオV コードレス VC-CL100」の運転音はかなり小さくはっきりと違いが分かるほどです。これは実際に家電量販店のデモ機で比較して体感されたほうが良いでしょう。
またダイソンの電源スイッチは「引金式」なので、トリガースイッチをずっと引き続ける必要があり、一部のユーザーに不評です。最新の「DC62 モーターヘッド」はスイッチの形状が改良され軽い力で引けるようになりましたが、それでも長時間スイッチを引き続ける必要があるのは変わりません。一方「VC-CL100」は「タッチスイッチ」を採用しているので一度スイッチを押すだけで吸引が続きます。また運転モードの変更も手軽に行えます。
使用時間についてもモーターヘッド使用時の運転時間はダイソンより3分長い約20分です。さらにヘッドが浮くと運転を自動停止する「節電アイドリング機能」のおかげで、バッテリー残量が節約され長い時間使えるメリットがあります。
ダイソンはゴミ捨て時にダストカップが自動的に開いて下に落ちる構造のため、ホコリが舞い上がるのが欠点とされてきました。しかし「VC-CL100」はゴミを遠心分離しながら小さく圧縮するので舞い上がりが抑えられています。またダイソンの「収納用ブラケット」は壁にネジ止めする必要がありますが、「VC-CL100」の「充電スタンド」は壁に固定する必要がなくそのまま床置で据え置けます。
しかしサイクロンの気筒数が「DC62 モーターヘッド」は15気筒なのに対して「VC-CL100」は半分以下の6気筒となっています。またモーターの最大回転数も1万回転低いことから「VC-CL100」の吸引力と遠心分離の性能はダイソンより低いと思います。さらに充電時間が1.5時間長く、スティック時の重量もダイソンより270グラム重くなっています。
製品仕様
発売年月 | 2014年2月 |
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メーカー | 東芝 |
型番 | VC-CL100(R) グランレッド VC-CL100(L) ターコイズブルー VC-CL100(W) グランホワイト |
ノズルタイプ | 軽量パワーヘッド |
集じん方式 | サイクロン式 |
集じん容積 | 0.25リットル |
寸法 | スティック時:長さ106センチ*幅21センチ*高さ20.7センチ 収納状態:長さ25センチ*幅25.5センチ*高さ66.2センチ |
質量 | 標準質量:2.3キロ(本体・延長管・ヘッドの合計質量) ハンディ時:約1.8キロ |
使用電池 | リチウムイオン電池(18.5V 1.76Ah セル数:5) |
連続使用時間 | 標準モード:約20分 強モード:約8分 |
充電時間 | 約5時間 |
消費電力 | 本体充電時:約13W 充電完了後:約0.3W 本体を外した時:約0.3W |
吸込仕事率 | 未公表 |
運転音 | 未公表 |
付属品 |
充電スタンド、電源コード、ACアダプター すき間ノズル、お手入れブラシ、ショルダーベルト |